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F-32M-1形端局中継装置

F-32M-1形端局中継装置の写真

F-32M-1形端局中継装置

世界初の商用実験

1970年代に光ファイバ通信実現に向けさまざまな分野の研究開発が行われるなか、光ファイバ通信の最初の実用化を見据え、NTTは1978年〜1979年に電話局間を光ファイバで結ぶ現場実験を行いました。その成功を経て1981年、世界で初めて中継用の伝送方式F-32Mで商用試験を行い、「F-32M-1形端局中継装置」を導入し、世界に先駆けて光ファイバケーブルを用いた中継伝送路の大容量化実現に大きく近づきました。F-32M方式は、都市の電話局間の中継線や比較的短い距離の市外回線に用いられ、県内中継伝送など中距離には同年に商用化されたF-100M方式が用いられました。伝送方式の分野で日本が世界をリードしてきたことを示すとともに、光ファイバ通信網形成の始まりを伝える貴重な史料のひとつです。

光による日本縦貫回線の完成

1983年には伝送容量・中継距離を大幅に伸ばしたF-400M方式が商用開始となり、1985年には旭川−鹿児島間約3,400kmの日本縦貫回線が完成しました。その後も光ファイバ通信に関する研究開発・技術革新を経て、さらなる伝送容量の拡大やFTTH(Fiber to the Home)に代表される加入者系の光化推進につながりました。

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