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2014/3/11 DIPS-1 構成部品が「情報処理技術遺産」に認定されました。
2014年3月11日、NTT技術史料館3階 技術をさぐる「H.文字・画像の通信とサービスの技術(DIPS、電報)」に展示中のDIPS-1 構成部品(中央処理装置等)が、情報処理学会の「情報処理技術遺産」に認定され、認定証が授与されました。
「情報処理技術遺産」とは、我が国コンピュータ発展史上の重要な研究開発成果や製品などの実物資料を保存している組織・博物館に対し、現存している貴重な実物の保存努力に敬意を表し、今後の継続をお願いするために情報処理学会が2008年度より始めた認定制度です。
詳しくは情報処理学会の公式サイト(http://museum.ipsj.or.jp/heritage/)をご覧下さい。
(認定情報)※詳しくはデジタルアーカイブサイトもご覧ください。
DIPS-1 構成部品(中央処理装置等)
電電公社(現・NTT)ではデータ通信システムの急速な普及に対応するため、ネットワークで使う大型コンピュータの早期実現を目指して1968(昭和43)年に、日本電気、日立製作所、富士通と共同研究体制をとってDIPS開発計画を開始しました。DIPS開発計画では、標準化、オンライン用電算機システムの実用化、電子交換、新伝送方式との親和性、信頼性の向上、経済化を狙いとしました。
1991年まで、自主技術開発、各種標準化、性能向上を数次にわたって行い、わが国のオンラインコンピュータ技術、大規模ソフトウェアの工業的開発技術の 発展に多大な貢献をしました。また、日本のコンピュータ産業の指導者を輩出するなど多数の情報処理技術者を育成するとともにその後のマルチベンダ展開への基礎を築きました。
1968(昭和43)年に開始されたDIPS-1の開発は、通産省の大型プロジェクトの成果を受けて、経済性の追求、ソフトウェアの標準化、アーキテクチャやインターフェースの統一、信頼性の確保などを目標に研究がすすめられました。その結果、数々の先端技術に基づき試作機を1971(昭和46)年に完成し、1973(昭和48)年には科学技術計算サービス(DEMOS-E*)として稼働を開始しました。
*DEMOS-Eは、
客先に宅内端末があり、計算内容を電送すると計算結果が戻ってくるという、現在のシンクライアント、クラウドサービスにも通じるサービス。
DIPS-1の主な開発技術
DIPS-1では世界に先駆けて、オンライン用として、マルチプロセッサ、ローカルメモリ、仮想記憶の3方式を統合しました。
- 最大4台/システムによるマルチプロセッサ方式を採用し、システムの処理性能を向上
- 大容量記憶装置にコアメモリを採用し、アクセス高速化のため、ローカルメモリ(8k/16kバイト)方式を採用
- ローカルメモリにはN-MOSIC記憶素子を採用
- 仮想記憶方式を採用
※詳しくはデジタルアーカイブサイトもご覧ください。