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2016/3/10 DIPS4150形磁気ドラム記憶装置が「情報処理技術遺産」に認定されました。

情報処理技術遺産に認定された「DIPS-1 構成部品」の写真

2016年3月10日、NTT技術史料館3階 技術をさぐる「H.文字・画像の通信とサービスの技術(DIPS、電報)」に展示中の「DIPS4150形磁気ドラム記憶装置」が、情報処理学会の「情報処理技術遺産」に認定され、認定証が授与されました。

「情報処理技術遺産」とは、我が国コンピュータ発展史上の重要な研究開発成果や製品などの実物資料を保存している組織・博物館に対し、現存している貴重な実物の保存努力に敬意を表し、今後の継続をお願いするために情報処理学会が2008年度より始めた認定制度です。

詳しくは情報処理学会の公式サイト(http://museum.ipsj.or.jp/heritage/)をご覧下さい。

(認定情報)※詳しくはデジタルアーカイブサイトもご覧ください。

DIPS4150形磁気ドラム記憶装置

DIPS4150形磁気ドラム装置は、日本電信電話公社(電電公社:現 日本電信電話(株))のデータ通信用大規模情報処理システムであるDIPS-1のセンタシステムに用いられた。性能上の主眼点は高速入出力によるスワッピング機能の実現にあった。
DIPS4150形磁気ドラム装置は、当時、世界最高水準とされる浮動ヘッド方式を採用、従来の固定ヘッドの10倍の記録密度を達成した。浮動ヘッドをデータ用に832個配置することで、装置記憶容量は4メガバイト、情報記録密度56ビット/mm、回転数3000rpm、平均アクセスタイム10.3ms、8トラックの並列読み書きにより情報転送速度2.2メガバイト/秒を実現した。開発は、電電公社と日立製作所の共同によるものである。
DIPS-1システムの主記憶装置はコアメモリで、センタコストの約3割を占めるなど高価であったため、DIPS4150形磁気ドラム装置をスワッピング用の記憶装置として適用することによって仮想記憶方式を実現した。
DIPS-1センタシステムは、東京芝局に商用試験機が導入され、以降、科学技術計算サービス(DEMOS-E*)やバンキングシステムなどの商用システムに導入された。

*DEMOS-Eは、
客先に宅内端末があり、計算内容を電送すると計算結果が戻ってくるという、現在のシンクライアント、クラウドサービスにも通じるサービス。

認定証授与式の様子 認定証の楯の写真
3月10日に行われた認定証授与式の模様

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