フロアガイド
2階フロア
アクセス系システムと所外インフラの技術
アクセス網の技術(線路、伝送、無線)
国土に展開するネットワークとアクセス網の役割
交換機とユーザ機器を結ぶアクセス網。アクセスラインは、交換機側では太いケーブルにまとめられ、ユーザ宅に近づくにつれて次第に分れていきます。アクセス網は集束し分散します。それを効率的に計画する手法が配線法です。
メタリックケーブルの進歩
1対の銅線が交換機とユーザ機器を結んでいたメタリックのアクセス網。管路やとう道など、既設の所外インフラを使って増える電話の需要に応えるには、同じ外径にできるだけ多くの心線を纏める必要がありました。メタリックケーブルの課題は、損失と漏話を抑えながら心線を細く被覆を薄くすることでした。被覆の改良は高分子材料の進歩で大きく前進し、1960年代から本格導入が進むPEFケーブルは一つの転機となりました。
光ファイバ伝送と光アクセス網
光ファイバによる伝送方式は、中継伝送路から導入されました。1981年のF-32M方式の登場以後、GI型からSM型へ進歩し、単心ユニットから多心化が可能なテープ心線の登場、WBケーブルの開発による非ガス保守の実現などケーブル構造も大きく変わりました。光ファイバの接続技術は、当初、光ファイバを1本1本融着していましたが、多くの心線を一括して接続する技術を確立し、また、コネクタによる接続も可能になりました。光ファイバを扱うには高精度の技術が必要ですが、技術の発達はそれを容易に扱えるようにして、アクセス網光化の条件を整えました。
高速マルチメディア通信と新しい伝送システム
高速マルチメディア通信への需要に応えて、アクセス網にも多様な伝送技術が適用されています。光アクセス方式では、ユーザ宅まで光ファイバで結ぶFTTH=Fiber To The Homeに至る、さまざまな段階のシステムが用意されています。無線アクセス方式は、古くからルーラル地域に適用されてきました。MASシステムは実用化された最初の無線アクセスシステムですが、その後、準ミリ波帯を使った高速の無線アクセスシステムやPHS技術を使用した無線アクセスシステム(λシステム)が登場し、最近では無線も幅広くアクセス系へ適用されるようになってきました。メタリックケーブルのアクセスラインは、かつてはアナログ電話の音声信号だけを伝えていましたが、モデムを介してファクシミリやコンピュータの信号を伝えるようになり、ISDNのディジタル信号を伝えるようになりました。いま、既設のメリットを新しい用途にどのように活かせるか、上り下り対称・非対称のものを含めて多くの方式が用意されています。メタリックケーブルによる方式、光ファイバによる方式、無線による方式-電話サービスから高速マルチメディア通信に向けて、アクセス網は大きく動きだしています。
展示概要
アクセス網の技術
国土の自然と街や村の社会を舞台に展開されるネットワーク。ネットワークにおけるアクセス網の位置づけを図解。配線法についても解説。
メタリックケーブルの技術/アクセス系メタリック伝送の技術
メタリックケーブルの進歩を平衡対ケーブルを中心に、同軸ケーブルや導波管も含めて紹介。アクセス系の伝送技術の進歩を解説。
ケーブルの架渉と布設・保守の技術
メタリックケーブルの心線・外被接続技術。光ファイバの障害箇所を遠隔探知などケーブルの保守技術。
光系アクセス網の構成とその技術
所内系・幹線系・配線系・ユーザ系と、光系アクセス網の具体像を展開。光ファイバと接続技術の進歩。F-1号、MF-2号、F-21号、MF-3S号、MF-4号、超小型融着接続機をH22年に新たに展示。
アクセス系光伝送の技術
SS、ADS、PDSの3方式による商用化の展開。
アクセス系無線伝送の技術
ルーラル地域のサービス高度化に欠かせない無線伝送技術の展開。
ケーブルを守る/自然との闘い
腐食や雷害、そして多様な生物の被害からケーブルを守る技術の進歩。