フロアガイド
2階フロア
ユーザ機器の技術(宅内)
家庭用電話機の進歩と多機能化
電話機の進歩には、接続と通話という基本的性能の向上、さまざまな便利な機能の付加、更に電話以外の機能との組み合わせによる多機能化という段階があります。家庭用電話機では、基本電話機にコードレスの子機と留守番機能が付いてファクシミリと一体化した形態が一時期を画し、マルチメディア機能やテレビ電話機能の付加へと進みました。
基本電話機の開発
電電公社が発足した1950年代の初頭、電話機は戦前からの2号、3号に、電気通信研究所が開発した4号電話機が加わってきたところでした。日本の家庭やオフィスに普及していく、高品質の基本電話機の開発が始まりました。
- 国際水準で<電話復興>を担った4号電話機(1950年量産開始)
- 画期的な性能向上と量産性の600形電話機(1963年量産開始)
- コンピュータ通信もできるプッシュホン600P(1969年量産開始)
- 集積回路で電子化ミニプッシュホン701P電話機(1977年量産開始)
公衆電話機と福祉電話機器
公衆電話機の歩みはネットワークの進化を映します。全国自動即時化の進展に対応して長距離通話に便利な硬貨収納機能が開発され、更にカード公衆電話機が登場しました。ネットワークのディジタル化の段階ではISDNへ、ICカード対応へと進みます。1975年に聴覚障害者用として登場したシルバーホン<めいりょう>などが福祉電話の本格的なスタートでした。その後、障害の種類に合わせた開発が進み、障害者の社会参加と少子高齢化が進む社会のニーズに応えています。
ファクシミリの大衆化
電話網で使う電話ファクスの販売が開始されたのは1978年で、いわゆる2分機と3分機で、高価なビジネス用でした。ファクシミリの機能を飛躍させたのは、日本からの提案を基本に1980年にCCITT(現ITU-T)で採択されたG3規格です。
企業通信システム-電話とコンピュータ通信
オフィスの電話システムは、構内交換機の自動化と事業所集団電話の登場がありました。NTTビルに設置する事業所集団交換機は、1970年の大阪万国博に初登場。一方、小規模な事業所には保留転送の容易なボタン電話装置が開発され、電子化、ディジタル化されたビジネスホンへと進化しました。一方、発展の著しい企業のコンピュータ通信では、事業所内のLANとイントラネット、事業所を結ぶネットワークSIとエクストラネット、そして高速化によるマルチメディア環境のオープンネットワークへという発展の流れが見えてきます。
展示概要
ユーザ機器の歩み
電話からマルチメディアへ。ネットワークの進化を生かす新しい機能を開発。
家庭用電話機の進歩
基本電話機の進歩と多機能化の系譜。ホームテレホンによるシステム化。留守録音機能などの付加。ファクシミリとの一体化。マルチメディアへ。
家庭用電話機を解剖する/キーテクノロジ
4号電話機、600形電話機、ミニプッシュホン701Pの分解。それぞれの開発のポイントを映像で。
公衆電話機の進歩
10円硬貨1枚から10円硬貨6枚へ、100円硬貨併用へ。磁気カードからICカードへ。ISDN対応。
福祉電話機の進歩
聴覚障害に対応する<めいりょう>。多様な障害への対応。寝たきりの人も使える<あんしん>など。
ディジタル網と電話機
ISDNに対応するディジタル端末機。
画像通信と電話機の進歩
手書き画像を送るスケッチホンからテレビ電話機まで。
ファクシミリの歩み
ディジタル圧縮技術による高速化と低価格化による急速な普及。G2からG3、G4へ。漢字の国の国際規格への貢献。
企業通信システムの進歩(オフィス電話と構内交換機)
ボタン電話とビジネスホン。構内交換機。事業所集団電話(ビル電話)交換機。
企業通信システムの進歩(イントラネットとマルチメディア環境)
事業所内LAN、イントラネット、マルチメディア環境をサポートするユーザ機器の技術。