展示パネル情報
3階フロア
文字・画像の通信とサービスの技術
テレックスからコンピュータ通信へ(パケット)、画像通信と画像情報提供システム(画像)、データ通信サービス(データ)
テレックスからコンピュータ通信へ
進化するテレックスのネットワーク
ディジタルデータ交換網の成立と発展
1956年に加入電信(テレックス)サービスが始まって間もなく、コンピュータ技術の急速な進歩によって、その情報入力手段としてのディジタル通信が注目されるところとなった。その後、1970年代に入ってコンピュータ通信用の交換網構想が具体化して、1979年~1980年にDDX回線交換サービスとパケット交換サービスがスタート、さらに高速・大容量伝送の要請に応えるために、フレームリレーやセルリレーが開発され、90年代後半、IP対応のOCNサービスが誕生した。
メッセージ通信網からコンピュータ通信網へ
加入電信網の変容と役割の変化
加入電信網は、ダイヤル自動交換と直流伝送によるディジタル通信用の独自網として1956年にサービスを開始し、国際接続、交換機のクロスバ化、宅内装置の高機能化などサービスの拡充を進めた。当初メッセージ通信を主たる目的とした通信手段であったが、1972(昭和47)年11月の公衆通信網の開放に伴い加入電信網をコンピュータとオンラインで接続しデータ通信を行うことが可能となり、コンピュータ通信の一翼を担うサービスとなった。
標準形A3テレックス宅内装置(TEX-A3号機)
回線交換サービスからパケット交換サービスへ
コンピュータ通信網の展開
1970年代に入って、コンピュータの利用拡大に伴いディジタル通信システムの拡充と高度化が強く求められるようになった。このため、時分割通話路技術やパケット多重化技術によるディジタル通信網を構築して1979年に回線交換サービス(DDX-C)、1980年にはパケット交換サービス(DDX-P)をスタートさせた。その後も、1994年からはISDNを介したパケット交換サービス(INS-P)に発展させ大容量化と高速化を図っている。
回線交換システムD50CSの構成と技術
パケット交換システムD50PSの構成と技術
D51形パケット交換機の開発
回線交換システムD50CS
フレームリレー、セルリレー、そしてOCNへ
マルチメディアに対応するネットワーク
1980年代に入り、通信分野でのディジタル化や光通信などの技術革新が進み、ネットワークを介して広域に情報を送受する環境が整ってきた。1994年にはX.25パケットプロトコルの伝送誤り制御を簡略化したフレームリレーが、1995年にはATM技術によるセルリレーなど新しいサービスが出現した。また、1996年には、マルチメディア時代の到来を思わせるOCNサービスが始まっている。
フレームリレー交換システムFHMの構成と技術
セルリレー交換システムAHMの構成と技術
OCN(オープンコンピュータネットワーク)システムの概要
フレームリレー交換システムFHM
画像通信と画像情報提供システム
ファクシミリからディジタル動画へ
マルチメディアへ向かう画像系サービス
1970年代から画像通信の実験的なサービスが行われ、1981年にはファクシミリ通信網サービス(Fネット)が開始された。その後、ネットワークのディジタル化や画像情報におけるディジタル処理技術などの進展に伴い、テレビ会議サービスやビデオテックス通信網サービス(キャプテン)が展開された。これらのサービスとマルチメディア技術が結びついて、1990年代にはディジタル画像応答システム(ディジタルVOD)が登場した。
ファクシミリとネット
ファクシミリ通信の多彩なサービス
情報センタとの異種メディア間通信も開拓
ファクシミリ通信網サービス(Fネット)は、一斉同報通信、自動再呼、無鳴動自動受信などの多彩なサービスの提供、およびディジタル伝送路を効率的に使用した通信コストの削減を目的に1981年に開始された。その後も、端末の小型・高性能化とともに、ご利用FAX端末の拡大(ミニファクス→G3→G4)、ファクシミリ案内などの蓄積機能を用いたサービスの拡充を行った。さらに、1984年には、コンピュータの入出力端末としてFAX端末を利用できるように、マークシート認識技術を取り入れ、情報センタとFAXという異種メディア間の通信を実現している。
FS20形(STOC)システムの構成と技術
FS30形(I-STOC)システムの構成と技術
~I-STOC(Integrated STOC)~=高機能形蓄積変換装置
I-STOCは複数種類の機能ユニット(IFU)をそれぞれ複数台、光ループで結合した構成を採っており、呼制御情報および画信号をIFU間でもち回ることによりサービスを実現する。この構成により機能拡充の容易さとトラヒック条件に対する柔軟さを実現している。
テレカンファレンス
CODECの技術が実現したテレビ会議サービス
画像圧縮と端末小形化へ、LANで進む普及
テレビ会議サービス(テレカンファレンス)は、6.3Mbps符号化装置(CODEC)の導入により実現したサービスを開始したのは1985年である。その後、画像圧縮技術の進展、端末の小型化と低価格化、LANへの対応によりテレビ会議の普及は進み、パソコンを利用したデスクトップカンファレンス(DTC)も登場した。
Z形テレビ会議端末
FM-C300テレビ会議端末用CODEC
FM-C100L LAN対応CODEC
FM-GW100ゲートウェイ装置
画像圧縮技術の進歩
予測符号化方式
周辺の画素を用いて画素を予測し、実際の画素値の代わりに予測誤差信号を符合化する方式である。フレーム内の画素のみを参照画素とするフレーム内予測符合化と、フレーム間の画素も参照画素とするフレーム間予測符合化に大別される。
ベクトル量子化方式
ベクトル量子化方式は、複数のサンプルの組から成るベクトル単位に、あらかじめ用意された画素パターンとのパターンマッチングを行ってから量子化する方式である。画像の性質は画素パターンによって決定される。
VC-6M、VC-1.5MCODEC
VC-64K CODEC
画像情報の提供
キャプテンからハイキャプテンへ
ビデオテックスはインターネット接続へ
ビデオテックスサービスは、日本初の双方向型静止画情報提供システムであるキャプテンとして、1984年に誕生した。文字や図形のデータをビデオテックス通信網と電話網経由で提供した。その後、1986年に高解像度フルカラー・ディジタル方式を採用したハイキャプテンの販売を開始し、1990年代にはインターネットとの通信サービスへと進展している。
テレビアダプタ型キャプテン端末キャプメイト
ディスプレイ一体型キャプテン端末キャプメイトV10
街頭端末用キャプメイトV14
多機能電話型キャプテン端末テレアシスト5100
音声・自然画に対応するハイキャプテン
DTPに対応するハイキャプテンHG
アナログVRSからフルディジタルVODへ
大きく転換した動画情報提供サービス
VRSは、アナログ方式の動画像応答システムである。1977年から実験が行われ、1984年には広帯域交換網と接続された。商用サービスの開始は1988年である。その後、MPEG圧縮技術の標準化や高速多重読み取り技術の開発により、VRSはフルディジタル方式のオンデマンドシステム(ディジタルVOD)に移行した。1995年のマルチメディア共同利用実験には、ディジタルVODシステムが導入された。
データ通信サービスの歩み
多様なサービスと使いやすいシステムを
時代の要請に応えて新技術を導入
1968年、全国地方銀行協会の為替交換システムを皮切りに、不特定多数者を対象とする公衆系から、政府機関の公共系、銀行・証券などの金融系まで多様かつ広範なサービスを提供してきた。システムの構築にあたっては、常に時代の要請に沿った新技術の導入を行い、だれもが使いやすいシステムや、あらゆる社会の営みが情報でつながる情報流通社会の実現をめざしてきた。
データ通信サービスの誕生
誕生期のデータ通信サービス
情報処理と通信を融合して
情報処理と通信を融合した最初のデータ通信サービスとして、全国地方銀行協会の為替交換システムが1968年に誕生した。その後、大型コンピュータによる数々のシステムを開発したが、なかでも不特定多数者を対象にスタートした公衆系サービスが特徴的である。また、この頃から大型コンピュータDIPSの開発が通信研究所で始まり、技術先導的なシステム開発に多くの成果をもたらした。
データ通信サービスの発展
発展期のデータ通信サービス
金融系と公共系を軸として
1970年代は、漢字処理技術の急速な進歩によって数多くの金融系システムが生まれたことや、代表的な政府機関のシステム開発が本格化して、データ通信サービスの文字どおりの発展期を迎えた。また、国産初の大型コンピュータDIPSが本格的に導入された。さらに、漢字処理可能なインテリジェント端末が、銀行用の窓口端末や携帯型端末として、導入され始めた
データ通信サービスの普及
普及期のデータ通信サービス
多彩なサービス展開と使いやすい端末
1980年代になると、データ通信サービスは金融・公共分野から産業・流通分野を含めた多彩な展開となり、いよいよ本格的な普及期に入った。異業種間の情報流通システムも数多く出現し、企業間ネットワークに対する関心が高まった。また、マイクロプロセッサを搭載したプログラム制御型汎用端末や光学式文字読取装置(OCR)を開発し、マンマシン・インタフェースが格段に向上した。
新時代の情報流通社会へ
普及期のデータ通信サービス
多彩なサービス展開と使いやすい端末
1990年代のデータ通信サービスは、ビジネス、パブリック、パーソナルのあらゆる場面でマルチメディア化が進み、インターネットの台頭によってe-ビジネスも現実のものとなった。パソコン端末は一般化し、携帯型ターミナルや携帯電話の急速な普及によって、パーソナルな世界が社会システムに組み込まれ始めた。21世紀の情報流通社会への幕開けである。