フロアガイド
1階フロア
ノードの技術(交換、ソフトウェア)
交換機の開発の歩み
交換機の進歩は、より高い知能をめざした歩みでした。交換機には、判断をする制御部と作業をする通線路部があります。自動交換を実現したステップバイステップ交換機では両者は一体でしたが、クロスバ交換機では分離されて共通制御となり、電子交換機へ、ディジタル交換機へという進化が始まります。交換機の制御部は、ステップバイステップ交換機からクロスバ交換機まで電磁式の継電器で構成されてきましたが、電子交換機では電子回路のプロセッサになり、ディジタル交換機では通話路部も電子回路となりました。
クロスバ交換機の開発
ステップバイステップ交換機の次の交換機をどのようなものとするか、海外の動向も参考に検討され、クロスバ方式という方式が決まると、各規模の加入者交換機と中継交換機からなるシリーズを想定して開発が進められました。国産初の第二種クロスバ交換機、地方都市の市外自動即化に活躍したC41・51交換機。そして更に進歩したC400交換機など事業目的に応じたさまざまな交換機が開発されました。
電子交換機へ
交換機電子化の大きな選択肢は、通話各部を含め電子化するか、通話路部は機械スイッチとして制御部を電子化するかでした。NTTでは、小型クロスバスイッチをストアードプログラム方式のプロセッサで制御する、空間分割形電子交換機を開発する道を選びました。こうして生まれたのがD10電子交換機です。クロスバ交換機では布線理論回路に固定されていた手順は、電子交換機ではプログラムとして記述されプロセッサに蓄積されます。これによって新サービスへの対応などに柔軟性が生まれました。交換機のソフトウェアという技術の新分野の誕生でもありました。
ディジタル交換機へ
電子交換機の制御部には超高速の実時間処理を求められます。通話路部は半導体集積回路で構成され、時間スイッチとハイウェイスイッチから成ります。電子化された通話路に対応する加入者回路にも、特殊なLSIが必要でした。ディジタル交換機の開発は、多くの交換機特有の集積回路の開発であったと言えます。
新ノード(NS-8000シリーズ)
多様な信号を回路で扱うマルチメディア時代、それを共通のプラットフォームで処理するためのノードの体系がNS-8000シリーズです。交換機の技術は、ディジタル化とマルチメディア化で、新しい段階に入りました。
交換機のソフトウェア
交換機は待ち時間なしに同時に数万の呼処理を行います。この超多重実時間処理は、交換処理特有のOS構造と呼処理を状態遷移方式と呼び、サービスを複数の状態の遷移として扱うことで実現しています。また“安定して連続作動し続ける”という高度な信頼性を要求されるソフトウェアであり、故障/輹輳/システム拡張に対する多くの手段が埋め込まれています。
展示概要
交換機の進歩(交換機の構成と各部の変遷)
交換機の通話路部と制御部はどうして変化してきたか。ステップバイステップ、クロスバ、電子、ディジタルの4段階で対比。
ステップバイステップからクロスバへ(クロスバ交換機の開発)
参考としたケロッグ社のクロスバ交換機やジーメンス社のEMD交換機。開発時のラインナップと開発初期のC41・51交換機。
クロスバ交換機
C400交換機。短縮ダイヤルなどの初期の新サービスのための架が付加され、次の段階を示唆。
クロスバ交換機のキーテクノロジ
量産対応のクロスバスイッチと継電器。布線理論回路の複雑な配線。
電子交換機
ストアードプログラム制御の効果を実証したDEX-2商用試験の記録とD10交換機。ディジタルデータ交換機や移動体通信用交換機にも展開。
電子交換機のキーテクノロジ
小型クロスバスイッチとSMMスイッチ。プロセッサ用ICの開発。プログラムの開発はD100AからD100Bへ。
ディジタル交換機
二重床に配置された低架タイプのD70交換機。ISDNとのインターフェイスとなるISMも。
ディジタル交換機のキーテクノロジー
時間スイッチとハイウエイスイッチ、通話路部と加入者回路-交換機のために開発された多様なLSI。マルチプロセッサ方式。
新ノード(NS-8000シリーズ)
アナログ電話からINS-64、B-ISDN、ATMまでを共通プラットフォーム上で。MHN-A/Aπ、S、SCP、P、FのうちMHN-Sを展示。
交換機のソフトウェア
交換機ソフトウェアの開発の歩み。高度な信頼性、サービスの連続性、効率的な開発を求められたシステム。
交換機と信号方式(信号方式と共通線信号方式)
加入者信号と局間信号。DP信号とMF信号の話。そして、共通線信号方式の仕組みと機能。
ネットワークサービスと交換機
交換機の知能からネットワークの知能へ。高度インテリジェントネットワークの歩み。