フロアガイド
1階フロア
トランスミッションの技術
空と宇宙の情報ハイウェイ技術(無線)
空と宇宙の情報ハイウェイ
真空管で本格的なスタートを切った無線技術。しかし、長波、中波、短波では、多重伝送は不可能でした。日本の公衆網に初めて登場した超短波多重ルートは、1940年に津軽海峡の石崎-当別間に4通話路で開通します。この区間で数年にわたって行われてきた実験の成果でした。超短波多重無線方式は、戦後も改良され全国に展開されました。
テレビ中継とマイクロ波方式
日本でマイクロ波中継伝送路が急速に整備された要因は、テレビ産業が系列局を結ぶ回線を必要としていたことでした。マイクロ波方式は電話伝送用の回線としてだけでなく、テレビ中継用回線として活用され、1966年にはループ構成による高信頼性を図った全国テレビジョン中継網が完成しました。
真空管から半導体素子へ
1954年に東名阪ルートに導入されたSF-B1方式は全真空管式でした。送信用電力増幅管には、進行波管=TWT(Travelling Wave Tube)が採用されました。超高周波に強いTWTを選んだことは、高い周波数を開拓を重視する日本のマイクロ波技術のその後を方向づけることとなりました。
SF-B1に始まるマイクロ波帯域のアナログ方式では、SF-B7/8で全固体化されますが、TWTはより高い周波数帯域で今日でも欠かせない役割を果たしています。
ディジタルマイクロ波方式へ
ディジタルマイクロ波方式の開発では1968年の2S-P1方式(2GHz帯)、1978年の20L-P1方式(20GHz帯)がありますが、ネットワークのディジタル化を担うには、長距離中継伝送路で主として使用されている4/5/6GHz帯のディジタル化が不可欠でした。そこで、より多くのディジタル信号を電波に乗せるために直交振幅変調方式(QAM)の開発が進められ、高品質の送受信のために最先端の電波の新技術が動員されます。1983年の16QAMのサービス開始で、マイクロ波方式はディジタル時代へ入りました。
衛星通信
衛星通信によるサービスは、当初は離島通信、災害時の孤立防止などでしたが、衛星の能力が増大し、地球局の機能が高度化するにつれて、地上網と連動した共通迂回回線の提供など、より柔軟な活用が可能になっています。1995-6年に打ち上げられたN-STARはマルチビーム技術、クロスコネクト技術等により衛星移動体通信やマルチメディアサービスにも利用されています。
展示概要
空と宇宙の情報ハイウェイ技術
中継伝送路は有線と無線。無線伝送路の媒体は電波。超短波からマイクロ波へ。アナログからディジタルへ。より高い周波数への挑戦も。
高い周波数への挑戦
長波、中波、短波から超短波になって多重化が始まる。マイクロ波は多重無線の主役。準ミリ波、ミリ波への挑戦も。
アナログマイクロ波方式
東名阪を初めて結んだSF-B1方式。カラーテレビに対応したSF-B5方式。完全固体化のSF-B8方式。11GHzのSF-T1-1方式。
アナログマイクロ波方式のキーテクノロジ
真空管から半導体素子への転換を示すユニット。さまざまな進行波管。
ディジタルマイクロ波方式
世界初の無線PCM方式は2S-P1方式。16QAM伝送を使った4・5・6G-200M方式、256QAM伝送を使った4・5・6G-300M方式等。
ディジタルマイクロ波方式のキーテクノロジ
16QAM、256QAMに求められる高度な伝送品質を実現する多様なフェージング補償回路など。
衛星通信方式への進歩
CS-2のエンジニアリングモデルと衛星搭載通信機器の技術。多様なサービスを可能にし、可搬性を実現した地球局の技術。