フロアガイド
1階フロア
ファシリティの技術
ネットワークを支えるエネルギー技術(電力)
情報通信用電源とは
情報通信用電源は、情報通信ネットワークを構成する各種情報・通信設備に直接必要なエネルギーを高品質・高信頼で供給するシステムです。これは、交換機や伝送装置などの基幹ネットワーク設備用の電源、コンピュータ用の電源、停電や災害時のバックアップとしての蓄電池や予備発電装置、各種災害対策機器などにより構成され、その技術は多種・多様に渡っています。
基幹ネットワーク用電源
通信用電源システムは、商用電源の交流を受電し、これを、-48Vの直流に変換する整流装置や交換機に必要な各種直流電圧に変換するコンバータ、さらには商用電源断に備えた蓄電池や予備電源装置などにより構成されています。その中には、電話の呼出音などの特殊な信号をつくる信号電源装置もあります。
これらの整流装置、コンバータ、信号電源装置は、かつて直流発電機などの回転機器により構成されていましたが、半導体素子が登場すると静止化(固体化)への地道な努力が重ねられました。1970年代に入ると大電力用サイリスタ開発により可能性が広がり、固体化への動きが一気に進みました。コンバータは、電子交換機時代の架タイプからデジタル交換機では、オンボード化により小形・高効率化され、架内に分散設置していきます。蓄電池は常時、充電を行い、必要なとき放電する全フロート充電方式を1950年には採用するとともに、従来の開放形から密閉化を図り、1980年代にはシール船蓄電池により完全密閉化が行われ、基幹ネットワーク電源における分散給電方式の導入に大きな役割を果たしました。
コンピュータ用電源
コンピュータは、交換機とは異なり交流電力を使用します。良質で安定した交流電力を供給する無停電交流電源装置での直流電源と同じように回転機器から静止化(固体化)への転換がありました。
エネルギーの有効利用技術は、排熱も有効に利用するコージェネレーションシステムにおいて、よりクリーンで効率の高い燃料電池システムの開発に発展し、新しい社会的役割を見出そうとしています。
商用電源のない無電電源地区での自立電源として導入が進められてきた太陽光発電や風力発電システムは、再生可能なエネルギー源として、今後は、環境負荷の低減だけでなく、小型分散電源としての役割も考えられるでしょう。
展示概要
ネットワークを支える建築技術
通信建築の技術開発の歩みを概観。
通信技術と電力技術
C400クロスバ交換機時代の電力設備とD70ディジタル交換機時代の電力設備を模型で比較。集中給電方式から分散給電方式へ。
基幹ネットワーク用電源の技術
アルミ導帯が示す直流大電流の供給。そのしくみと分散給電方式の特徴。
直流電源装置の開発
セレンからサイリスタ、パワートランジスタへ。回転機から静止形へ。素子の進歩が小形・高効率化を実現。
コンバータの進歩
直流-48Vから用途に応じた直流をつくりだすコンバータの進歩。
信号用電源技術の進歩
ここでも回転機から静止形へ。小形・ユニット化によりプラグインへ。
電池の技術
シール鉛蓄電池の開発での分散配置が可能に。効率的な充電方式のための技術開発。
コンピュータ用電源装置の開発
コンピュータの電源は交流。交流電源も静止形へ。
災害対策用装置の技術
ディーゼルエンジンとガスタービン。固定形と可搬形。コージェネレーションでエネルギー有効利用。
新しいエネルギー技術
燃料電池システムの開発。太陽光発電と風力発電は地球環境のために。